このチュートリアルは、Railsをはじめようを読んで、基本的なRailsの知識があることを前提としています。
1 コマンドラインの基礎
Railsを使用する際に、きわめて重要なコマンドがいくつかあります。それらを使用頻度順に並べると以下のとおりです。
rails console
rails server
bin/rails
rails generate
rails dbconsole
rails new app_name
どのコマンドも-h
もしくは --help
オプションを使用することで、詳細な情報をみることができます。
簡単なRailsアプリケーションをつくりながら、一つずつコマンドを実行していきましょう。
1.1 rails new
Railsをインストールしたあと、最初にやりたいことはrails new
コマンドを実行して、新しいRailsアプリケーションを作成することです。
まだRailsをインストールしていない場合、gem install rails
を実行してRailsをインストールできます。
$ rails new commandsapp create create README.md create Rakefile create config.ru create .gitignore create Gemfile create app ... create tmp/cache ... run bundle install
このような短いコマンドをうつだけで、Railsは非常に多くのものを用意してくれます。たったこれだけで、完璧なRailsのディレクトリ構成と、アプリケーションに必要なコードがすべて手に入りました。
1.2 rails server
rails server
コマンドを実行すると、Pumaというwebサーバーが起動します(PumaはRailsに標準添付されています)。Webブラウザからアプリケーションにアクセスしたいときは、このコマンドを使用します。
rails server
を実行することで、新しいRailsアプリケーションを作成後すぐにRailsアプリケーションを起動することができます。
$ cd commandsapp $ bin/rails server => Booting Puma => Rails 5.1.0 application starting in development on http://0.0.0.0:3000 => Run `rails server -h` for more startup options Puma starting in single mode... * Version 3.0.2 (ruby 2.3.0-p0), codename: Plethora of Penguin Pinatas * Min threads: 5, max threads: 5 * Environment: development * Listening on tcp://localhost:3000 Use Ctrl-C to stop
ちょうど3つのコマンドで、Railsサーバーを3000番ポートで起動しました。ブラウザを立ち上げて、http://localhost:3000を開いてみてください。Railsアプリケーションが動作していることが分かります。
サーバーを起動する際にはrails s
のように"s"というエイリアスが使用できます。
-p
オプションを使用することで、待ち受けるポートを指定できます。サーバーの環境は -e
オプションで変更することができ、デフォルトではdevelopment (開発) 環境で実行されます。
$ bin/rails server -e production -p 4000
-b
オプションを使用するとRailsを特定のIPにバインドできます。デフォルトでは0.0.0.0です。-d
オプションを使用することで、デーモンとしてサーバーを起動することができます。
1.3 rails generate
rails generate
コマンドでは、テンプレートを使用して様々なものを作成します。rails generate
を実行すると、利用可能なジェネレータの一覧が表示されます。
ジェネレータコマンドを実行する際にはrails g
のように"g"というエイリアスが使用できます。
$ bin/rails generate Usage: rails generate GENERATOR [args] [options] ... ... Please choose a generator below. Rails: assets channel controller generator ... ...
ジェネレータgemをインストールしたり、プラグインに付属しているジェネレータをインストールすることで、ジェネレータを増やせます。また、自分でジェネレータを開発することもできます。
ジェネレータを使用すると、アプリケーションを動かすのに必要な Boilerplate Code (訳注: 多くの箇所で使われている、ほとんどor全く変更がないコード) を書かなくて済むため、時間を節約できます。
それではコントローラジェネレータを使って、コントローラを作ってみましょう。どのようなコマンドを使用すればよいのでしょうか?ジェネレータに聞いてみましょう。
Railsのすべてのコマンドにはヘルプがついています。多くの *nix (訳注: LinuxやUnix、UnixライクなOSなど) のユーティリティと同じようにコマンドの最後に--help
もしくは-h
オプションを与えてください (例: rails server --help
)。
$ bin/rails generate controller Usage: rails generate controller NAME [action action] [options] ... ... Description: ... To create a controller within a module, specify the controller name as a path like 'parent_module/controller_name'. ... Example: `rails generate controller CreditCards open debit credit close` Credit card controller with URLs like /credit_cards/debit. Controller: app/controllers/credit_cards_controller.rb Test: test/controllers/credit_cards_controller_test.rb Views: app/views/credit_cards/debit.html.erb [...] Helper: app/helpers/credit_cards_helper.rb
コントローラジェネレータにはgenerate controller ControllerName action1 action2
という形式でパラメータを渡します。helloアクションを実行すると、すてきなメッセージを返してくれるGreetings
コントローラを作ってみましょう。
$ bin/rails generate controller Greetings hello create app/controllers/greetings_controller.rb route get "greetings/hello" invoke erb create app/views/greetings create app/views/greetings/hello.html.erb invoke test_unit create test/controllers/greetings_controller_test.rb invoke helper create app/helpers/greetings_helper.rb invoke assets invoke coffee create app/assets/javascripts/greetings.coffee invoke scss create app/assets/stylesheets/greetings.scss
どのようなものが作成されたのでしょう?いくつかのディレクトリがアプリケーションに存在することを確認し、コントローラファイル、ビューファイル、機能テストのファイル、ビューのヘルパー、JavaScriptファイルそしてスタイルシートファイルを作成しました。
コントローラ(app/controllers/greetings_controller.rb
)を確認し、少し編集してみましょう。
class GreetingsController < ApplicationController def hello @message = "Hello, how are you today?" end end
メッセージを表示するためにビュー(app/views/greetings/hello.html.erb
)を編集します。
<h1>A Greeting for You!</h1> <p><%= @message %></p>
rails server
でサーバーを起動します。
$ bin/rails server => Booting Puma...
URLはhttp://localhost:3000/greetings/helloです。
通常のRailsアプリケーションでは、URLはhttp://(host)/(controller)/(action)というパターンになります。またhttp://(host)/(controller)というパターンのURLはコントローラのindexアクションへのURLとなります。
Railsにはデータモデルのためのジェネレータもついています。
$ bin/rails generate model Usage: rails generate model NAME [field[:type][:index] field[:type][:index]] [options] ... Active Record options: [--migration] # Indicates when to generate migration # Default: true ... Description: Create rails files for model generator.
type
パラメータで利用可能なフィールドの種類についてはAPI documentationに記載されている、SchemaStatements
モジュールのadd_column
メソッドの説明を参照してください。index
パラメータを指定すると、カラムに対応するインデックスが生成されます。
ここでは直接モデルを作成する代わりに(モデルの作成は後ほど行います)、scaffoldを生成しましょう。Railsにおいてscaffoldとは、モデル、モデルのためのマイグレーション、モデルを操作するためのコントローラ、モデルを操作・表示するためのビュー、それらのためのテスト一式のことをさします。
"HighScore"という名のリソースを準備してみましょう。このリソースの役割はビデオゲームでの最高得点を記録することです。
$ bin/rails generate scaffold HighScore game:string score:integer invoke active_record create db/migrate/20130717151933_create_high_scores.rb create app/models/high_score.rb invoke test_unit create test/models/high_score_test.rb create test/fixtures/high_scores.yml invoke resource_route route resources :high_scores invoke scaffold_controller create app/controllers/high_scores_controller.rb invoke erb create app/views/high_scores create app/views/high_scores/index.html.erb create app/views/high_scores/edit.html.erb create app/views/high_scores/show.html.erb create app/views/high_scores/new.html.erb create app/views/high_scores/_form.html.erb invoke test_unit create test/controllers/high_scores_controller_test.rb invoke helper create app/helpers/high_scores_helper.rb invoke jbuilder create app/views/high_scores/index.json.jbuilder create app/views/high_scores/show.json.jbuilder invoke test_unit create test/system/high_scores_test.rb invoke assets invoke coffee create app/assets/javascripts/high_scores.coffee invoke scss create app/assets/stylesheets/high_scores.scss invoke scss identical app/assets/stylesheets/scaffolds.scss
ジェネレータはモデル、コントローラ、ヘルパー、レイアウト、機能テスト、ユニットテスト、スタイルシート用のディレクトリが存在することをチェックし、ビュー、コントローラ、モデル、マイグレーション(high_scores
テーブルとフィールドを作成する)を生成し、このresourceのためのルーティングを用意します。またこれらのためのテストも作成します。
migrateを実行してマイグレーションを走らせる必要があります。つまりデータベースのスキーマを変更するためにRubyのコード(コードとは20130717151933_create_high_scores.rb
に書かれたコードのことです)を実行する必要があります。データベースとはどのデータベースでしょうか?bin/rails db:migrate
コマンドを実行すると、RailsはSQLite3に新しいデータベースを作ります。bin/railsについては後ほど詳しく説明します。
$ bin/rails db:migrate == CreateHighScores: migrating =============================================== -- create_table(:high_scores) -> 0.0017s == CreateHighScores: migrated (0.0019s) ======================================
単体テストについて説明します。単体テストとは、コードをテストし、アサーションを行うコードです。ユニットテストでは、モデルのメソッドといったコードの一部分を取り出して、入力と出力をテストします。単体テストはあなたの友人も同然です。単体テストを書くことで幸せな人生が送れることに気づくのが早ければ早いほど、確実によい結果を得られます。このことは間違いありません。単体テストについて詳しくは、the testing guideを参照してください。
Railsが作ったインターフェースをみてみましょう。
$ bin/rails server
ブラウザでhttp://localhost:3000/high_scoresを開いてみましょう。新しいハイスコアを作ることができます(スペースインベーダーで55,160点とかね!) (訳注: 2003年にDonald Hayesがたたき出したスコアです)。
1.4 rails console
console
コマンドを使うと、コマンドラインでRailsアプリケーションとやり取りすることができます。rails console
は内部的にIRBを使用しているので、IRBを使ったことがあれば、扱うのは簡単です。ひらめいたアイデアを試してみたり、ウェブサイトにアクセスすることなくサーバのデータを変更するのに役立ちます。
コンソールコマンドを実行する際にはrails c
のように"c"というエイリアスが使用できます。
console
コマンドを実行する環境を指定することができます。
$ bin/rails console -e staging
データを変更することなくコードをテストしたいときは、rails console --sandbox
を実行します。
$ bin/rails console --sandbox Loading development environment in sandbox (Rails 5.1.0) Any modifications you make will be rolled back on exit irb(main):001:0>
1.4.1 appオブジェクトとhelperオブジェクト
rails console
の実行中、app
オブジェクトとhelper
オブジェクトにアクセスできます。
app
メソッドを使用すると、URLヘルパーとpathヘルパーにアクセスできます。またリクエストを投げることもできます。
>> app.root_path => "/" >> app.get _ Started GET "/" for 127.0.0.1 at 2014-06-19 10:41:57 -0300 ...
helper
メソッドを使用すると、Railsのアプリケーションヘルパーと自分が実装したヘルパーにアクセスすることができます。
>> helper.time_ago_in_words 30.days.ago => "about 1 month" >> helper.my_custom_helper => "my custom helper"
1.5 rails dbconsole
rails dbconsole
コマンドは使用しているデータベースを探し出し、適切なデータベースコマンドラインツールを起動します(また、コマンドラインツールに必要な引数を探し出します)。MySQL (MariaDB含む)、PostgreSQL、SQLite、そしてSQLite3をサポートしています。
DBコンソールコマンドを実行する際にはrails db
のように"db"というエイリアスが使用できます。
1.6 rails runner
runner
コマンドを使うと、非対話的にRailsの文脈でRubyのコードを実行することができます。たとえば次のようになります。
$ bin/rails runner "Model.long_running_method"
ランナーコマンドを実行する際にはrails r
のように"r"というエイリアスが使用できます。
-e
を使用することでrunner
コマンドを実行する環境を指定することができます。
$ bin/rails runner -e staging "Model.long_running_method"
ファイル内のRubyコードをrunner
で実行することもできます。
$ bin/rails runner lib/code_to_be_run.rb
1.7 rails destroy
destroy
はgenerate
の反対と言えます。ジェネレータコマンドが何をしたか把握し、それを取り消します。
rails d
のように、"d"というエイリアスを使ってdestroyコマンドを実行することもできます。
$ bin/rails generate model Oops invoke active_record create db/migrate/20120528062523_create_oops.rb create app/models/oops.rb invoke test_unit create test/models/oops_test.rb create test/fixtures/oops.yml
$ bin/rails destroy model Oops invoke active_record remove db/migrate/20120528062523_create_oops.rb remove app/models/oops.rb invoke test_unit remove test/models/oops_test.rb remove test/fixtures/oops.yml
2 bin/rails
rake
コマンドは、Rails 5.0以降Railsの実行ファイルに組み込まれました。コマンドを実行する新しいデフォルトはbin/rails
です。
bin/rails --tasks
とタイプすると、実行可能なrails
コマンドの一覧が表示されます。各タスクには説明がついているので、必要なタスクを見つけるのに役立つはずです。
$ bin/rails --help Usage: rails COMMAND [ARGS] The most common rails commands are: generate Generate new code (short-cut alias: "g") console Start the Rails console (short-cut alias: "c") server Start the Rails server (short-cut alias: "s") ... All commands can be run with -h (or --help) for more information. In addition to those commands, there are: about List versions of all Rails ... assets:clean[keep] Remove old compiled assets assets:clobber Remove compiled assets assets:environment Load asset compile environment assets:precompile Compile all the assets ... ... db:fixtures:load Loads fixtures into the ... db:migrate Migrate the database ... db:migrate:status Display status of migrations db:rollback Rolls the schema back to ... db:schema:cache:clear Clears a db/schema_cache.yml file db:schema:cache:dump Creates a db/schema_cache.yml file db:schema:dump Creates a db/schema.rb file ... db:schema:load Loads a schema.rb file ... db:seed Loads the seed data ... db:structure:dump Dumps the database structure ... db:structure:load Recreates the databases ... db:version Retrieves the current schema ... ... restart Restart app by touching ... tmp:create Creates tmp directories ...
bin/rails -T
でもタスクの一覧を表示することができます。
2.1 about
bin/rails about
を実行すると、Ruby、RubyGems、Rails、Railsのサブコンポーネント (訳注: Active RecordやAction Packなど) のバージョン、Railsアプリケーションのフォルダー名、現在のRailsの環境名とデータベースアダプター、そして、スキーマのバージョンが表示されます。誰かに質問をしたいときや、セキュリティパッチが自分のアプリケーションに影響するか確認したいときなど、現在使用しているRailsに関する情報が必要なときに役立ちます。
$ bin/rails about About your application's environment Rails version 5.1.0 Ruby version 2.2.2 (x86_64-linux) RubyGems version 2.4.6 Rack version 2.0.1 JavaScript Runtime Node.js (V8) Middleware: Rack::Sendfile, ActionDispatch::Static, ActionDispatch::Executor, ActiveSupport::Cache::Strategy::LocalCache::Middleware, Rack::Runtime, Rack::MethodOverride, ActionDispatch::RequestId, ActionDispatch::RemoteIp, Sprockets::Rails::QuietAssets, Rails::Rack::Logger, ActionDispatch::ShowExceptions, WebConsole::Middleware, ActionDispatch::DebugExceptions, ActionDispatch::Reloader, ActionDispatch::Callbacks, ActiveRecord::Migration::CheckPending, ActionDispatch::Cookies, ActionDispatch::Session::CookieStore, ActionDispatch::Flash, Rack::Head, Rack::ConditionalGet, Rack::ETag Application root /home/foobar/commandsapp Environment development Database adapter sqlite3 Database schema version 20110805173523
2.2 assets
bin/rails assets:precompile
を実行すると、app/assets
配下のファイルをプレコンパイルすることができます。またbin/rails assets:clean
を実行すると、古くなったコンパイル済みのファイルを削除できます。assets:clean
は、新しいassetsのビルドをしながらも古いassetsへのリンクを残す「ローリングデプロイ (rolling deploy)」というやり方を実現しています。
public/assets
配下を完全に消去するにはbin/rails assets:clobber
を実行します。
2.3 db
bin/railsのdb:
という名前空間に属するタスクのうち、最もよく使われるのはmigrate
とcreate
です。マイグレーションに関するタスク(up
, down
, redo
, reset
)はいずれも一度試してみることをおすすめします。bin/rails db:version
を使えばデータベースの状況が分かるので、トラブルシューティングの際に役立ちます。
マイグレーションについては、Active Recordマイグレーションでより詳しく扱っています。
2.4 notes
bin/rails notes
は、コードのコメントからFIXME、OPTIMIZE、TODOで始まる行を探し出して表示します (訳注: [FIXME]のように[から始まるものはヒットしません)。検索対象となるファイルの拡張子は.builder
、.rb
、.rake
、.yml
、.yaml
、.ruby
、.css
、.js
、.erb
で、デフォルトのアノテーション以外に独自のアノテーションも使用できます。
$ bin/rails notes (in /home/foobar/commandsapp) app/controllers/admin/users_controller.rb: * [ 20] [TODO] any other way to do this? * [132] [FIXME] high priority for next deploy app/models/school.rb: * [ 13] [OPTIMIZE] refactor this code to make it faster * [ 17] [FIXME]
検索するファイルの拡張子を追加するには、config.annotations.register_extensions
オプションを使います。このオプションは拡張子の一覧と、マッチするべき行 を表す正規表現を引数にとります。
config.annotations.register_extensions("scss", "sass", "less") { |annotation| /\/\/\s*(#{annotation}):?\s*(.*)$/ }
特定のアノテーションのみを表示したいとき(例えばFIXMEのみを表示したいとき)はbin/rails notes:fixme
のように実行します。このとき、アノテーションは小文字で書くことに注意してください。
$ bin/rails notes:fixme (in /home/foobar/commandsapp) app/controllers/admin/users_controller.rb: * [132] high priority for next deploy app/models/school.rb: * [ 17]
独自のアノテーションを使う際には、bin/rails notes:custom
と書いて、ANNOTATION
環境変数を使ってアノテーション名を指定します。
$ bin/rails notes:custom ANNOTATION=BUG (in /home/foobar/commandsapp) app/models/article.rb: * [ 23] Have to fix this one before pushing!
特定のアノテーションのみを表示するときや、独自のアノテーションを表示する際には、FIXMEやBUGといったアノテーション名は表示されません。
rails notes
タスクはデフォルトではapp
、config
、lib
、bin
、test
ディレクトリを対象とします。他のディレクトリも対象にしたい場合は、SOURCE_ANNOTATION_DIRECTORIES
環境変数にディレクトリ名をカンマ区切りで指定します。
config.annotations.register_directories("spec", "vendor")
SOURCE_ANNOTATION_DIRECTORIES
環境変数でカンマ区切りのディレクトリ名を指定することもできます。
$ export SOURCE_ANNOTATION_DIRECTORIES='spec,vendor' $ bin/rails notes (in /home/foobar/commandsapp) app/models/user.rb: * [ 35] [FIXME] User should have a subscription at this point spec/models/user_spec.rb: * [122] [TODO] Verify the user that has a subscription works
2.5 routes
rails routes
を使うと、定義されている全ルーティングをみることができます。これはルーティングの問題を解くときや、アプリケーションのルーティング全体を理解するのに役立ちます。
2.6 test
Railsでの単体テストについてはRailsアプリケーションをテストするを参照してください。
RailsにはMinitestと呼ばれるテストスイートが付属しています。Railsではテストを書くことで、安定したアプリケーションを開発します。test:
という名前空間の中で定義されたタスクは、あなたがこれから(期待を持って)書く様々なテストを実行するときに役立ちます。
2.7 tmp
Rails.root/tmp
ディレクトリは、(*nix系でいう/tmp
ディレクトリのような) 一時ファイルを保存するためのディレクトリです。一時ファイルには、プロセスIDのファイル、アクションキャッシュのためのファイルなどがあります。
tmp:
という名前空間には、Rails.root/tmp
ディレクトリを作成、削除するためのタスクが入っています。
-
rails tmp:cache:clear
で、tmp/cache
を空にします。 -
rails tmp:sockets:clear
で、tmp/sockets
を空にします。 -
rails tmp:screenshots:clear
で、tmp/screenshots
を空にします。 -
rails tmp:clear
で、cache、sockets、screenshotディレクトリを空にします。 -
rails tmp:create
で、cache、sockets、pidsのtmpディレクトリを作成します。
2.8 その他のタスク
-
rails stats
で、コードに対するテストの比率やKLOCs(コードの行数)といった、コードに関する統計値を表示します。 -
rails secret
で、セッションシークレット用に擬似乱数を生成します。 -
rails time:zones:all
で、Railsが扱える全タイムゾーンを表示します。
2.9 カスタムRakeタスク
独自のRakeタスクの拡張子は.rake
で
Rails.root/lib/tasks
配下に保存します。また、独自のタスクを作成することができる
bin/rails generate task
というコマンドもあります。
desc "I am short, but comprehensive description for my cool task" task task_name: [:prerequisite_task, :another_task_we_depend_on] do # All your magic here # Any valid Ruby code is allowed end
タスクに引数を渡すには以下のようにします。
task :task_name, [:arg_1] => [:prerequisite_1, :prerequisite_2] do |task, args| argument_1 = args.arg_1 end
名前空間内でタスクを定義することで、タスクをグルーピングできます。
namespace :db do desc "何もしないたすく" task :nothing do # マジ何もしない end end
そして、以下のようにしてタスクを呼び出します。
$ bin/rails task_name $ bin/rails "task_name[value 1]" # entire argument string should be quoted $ bin/rails db:nothing
アプリケーション内のモデルを使用したり、データベースに対してクエリを投げたりしたいときは、タスクからenvironment
タスクへの依存関係を定義する必要があります。environment
タスクはアプリケーションのコードを読み込むタスクです。
3 Railsの高度なコマンドライン
コマンドラインのより高度な使い方として、便利な(時に驚くような)オプションを見つけて、オプションを使いこなすことがあります。ここでは、Railsのもつ妙技を少しだけ紹介します。
3.1 データベースとソースコード管理システムとRails
新しいRailsアプリケーションを作成するときに、データベースの種類とソースコード管理システムの種類を指定することができます。このオプションを使うことで、ちょっとした時間と多くのタイピングを節約できます。
それでは--database=postgresql
オプションと--git
オプションの動きを見てみましょう。
$ mkdir gitapp $ cd gitapp $ git init Initialized empty Git repository in .git/ $ rails new . --git --database=postgresql exists create app/controllers create app/helpers ... ... create tmp/cache create tmp/pids create Rakefile add 'Rakefile' create README.md add 'README.md' create app/controllers/application_controller.rb add 'app/controllers/application_controller.rb' create app/helpers/application_helper.rb ... create log/test.log add 'log/test.log'
Railsがgitのリポジトリ内にファイルを作成する前に、gitappディレクトリを作成し、空のgitリポジトリを初期化する必要があります。Railsがどのようなデータベースの設定ファイルを作ったか見てみましょう。
$ cat config/database.yml # PostgreSQL. Versions 9.1 and up are supported. # # Install the pg driver: # gem install pg # On OS X with Homebrew: # gem install pg -- --with-pg-config=/usr/local/bin/pg_config # On OS X with MacPorts: # gem install pg -- --with-pg-config=/opt/local/lib/postgresql84/bin/pg_config # On Windows: # gem install pg # Choose the win32 build. # Install PostgreSQL and put its /bin directory on your path. # # Configure Using Gemfile # gem 'pg' # default: &default adapter: postgresql encoding: unicode # For details on connection pooling, see Rails configuration guide # http://guides.rubyonrails.org/configuring.html#database-pooling pool: <%= ENV.fetch("RAILS_MAX_THREADS") { 5 } %> development: <<: *default database: gitapp_development ... ...
選択したデータベース(PostgreSQL)に対応するように、Railsはdatabase.yml
を作成します。
ソースコード管理システムに関するオプションを使う際には、まずアプリケーション用のディレクトリを作り、ソースコード管理システムの初期化を行ってから、rails new
コマンドを実行する点に注意してください。